ランサーズヘブン(番外編!?)
それはいつもの昼下がり 赤いコピー野郎や金ぴかのうるさい奴もいない静かな港 ただ無心で竿の先端に集中する いたっていつもの港だ 少し後ろで立っている彼女を省けば… 「なぁ、あんた何してんだ?」 釣り竿の先端を見つめながら呟いた 「え、いえ、別に・・・お邪魔ですよね・・・私、帰ります」 っと帰ろうとした時 「別に邪魔じゃねぇが、あんた確かこの前花買いに来た奴だろ?」 「え?」 と、驚いたような顔を彼女は見せた 「立ってるのもなんだ、こっち着て座りな」 「は、はい。お邪魔します」 照れながら彼女はランサーの横に座り、ランサーを眺めた 「アヤコだっけ?名前」 ランサーはかすかに覚えてた彼女の名前を言った すると、彼女・・・美綴 綾子はびっくりした顔をした後 「ランサーさん、覚えていてくれていたのですね」 と言い、少し顔を赤くした 「んで、俺になんか用があるのか?」 ランサーはやさしい顔で綾子を見つめた 「あ、べ、別に近くを通りかかったもので・・・」 綾子は、もじもじと照れながら海を見て 「魚、釣れますか?」 と、魔の言葉を放った 不意に聞かれたランサーは カチリ と固まり 「今日はまだ釣れてねぇんだ」 と泣いた 「あ、ご、ごめんなさい」 わたわたと手を振り謝る綾子に 「いいんだ、俺は釣りをすることが好きなだけだ。釣れるどうこうは気にしねぇ」 負け犬の遠吠えが悲しく聞こえる ボーーー と船の汽笛が聞こえ、少し時間がたち 「そ、そうなのですか・・・」 申し訳なさそうに綾子がうつむいた その後、互いに言うこともなく時間が過ぎていった (そういえばこの嬢ちゃんこんな性格だったっけか?) と疑問を持ったり (この嬢ちゃんに手を出せば小僧や遠坂の譲ちゃんに何されるかしらねぇし 自ら死に急ぐこともねェか・・・) と不浄な考えをしたりするランサーの横で、何も知らず幸せそうに海を見つめている綾子 夕方に差し掛かり、海に夕日が綺麗に写りだした時 「も、もうこんな時間ですね。私はそろそろ帰りますので それではまたどこかでお会いしましょう」 ランサーにお辞儀をして帰っていった ランサーは何も言わずただ竿を見ながら手を上げた っとその時ググッと竿に反応があった 「やっとお出ましか!」 ぐっと竿を引き、本日初の魚が釣れた 「これは秋刀魚だっけか?体もでかいし美味そうだ」 と籠に入れたとき、後ろから 「ささ、さささささささ」 キュピーン と目を光らせながら一人の女性が走ってきた 怪しく素早く走って来る彼女は 藤村 大河 だった ランサーのかごを覗き込み 「おお〜兄さん、おいしそうな秋刀魚ですにゃ〜」 ランサーは頭を抱え 「また来たのか泥棒猫」 「今日はそれ一匹なの?」 ご機嫌な顔でランサーに近寄り 「秋刀魚おいしそうですにゃあ〜」 とよだれを垂らして秋刀魚を見つめる その姿を見てランサーは はぁ〜 とため息を吐き 「持ってけ、どうせ断っても持ってくんだろ」 「おお〜兄さん話がわかるね〜けど、いつもただなのは悪いから 今日は学校でもらったみかんをあげるね〜」 とみかんを3個ほど置いた 「じゃぁまたね〜」 どぴゅ〜〜ん と嵐のように去っていった ランサーはみかんを見つめ 「今日の収穫はみかん3個か・・・」 そっと立ち上がり、ランサーは夕暮れの町に隠れていきました [了]
by セレシス
ランサー兄貴かっこいいですよね〜 綾子株もhollowで急上昇です ランサーと綾子の明日はどっち!?
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