私と私に投票を。
「人気投票なんてものが始まるらしいわよ、私(エウリュアレ)」 神殿には今、二人のゴスロリ少女がいた。 ゴルゴン三姉妹の長女ステンノと次女エウリュアレである。 「そうなの? 私の可愛さならば一位は確実よね、私(ステンノ)」 それが当然のことのように答えるエウリュアレ。 「それは厳しいと思うわ。 本編からブイブイ言わせているヒロイン達に勝つのは、難しいと思うわよ、私(エウリュアレ)」 それに現実的な意見を挟むステンノ。 前回の激しい戦いの結果を調査していたステンノには、エウリュアレのように楽観的にはなれない。 「それならば、大丈夫よ、私(ステンノ) 私は私(ステンノ)なんだから、私(ステンノ)への票も私のものであるし、私の投票も私(ステンノ)のものになるはずですわ」 そこでエウリュアレは超理論を展開する。 「それなら、メドゥーサの票も姉である私のものですよね、私(エウリュアレ)」 「当然ね、メドゥーサのものは私のもの、私のものは私のものですからね」 まさにジャ○アニズム。 傍若無人にもほどがある。 無茶苦茶な理屈だが、本人は大まじめにそう信じているようだ。 「ところで紹介のコメントで『滋養品』とか書かれているけど、私(ステンノ)?」 「私(エウリュアレ)も『サカサマ』とか書かれているわね」 そこで、メドゥーサをいびるために培われた、重箱の隅をつつく技能が発揮される。 「“強い女”だから『滋養品』なのでは、私(ステンノ)?」 「“遠く飛ぶもの”だから『サカサマ』に落下でもすると思われているのかもね、私(エウリュアレ)?」 「あはは、面白いことを言うのね、私(エウリュアレ)」 「うふふ、私(ステンノ)の言うことも、とても面白いわよ」 お互い笑っているのに、目だけは氷のような輝きを放っている。 かなりヤヴァイです。 「なんだか急にメドゥーサに会いたくなっちゃったわ、私(エウリュアレ)」 「奇遇ね私もよ、私(ステンノ)」 「それじゃあ、一緒に会いにいきましょうか?」 ふたりは、その怒りの矛先を、頑丈が取り柄の末妹に向けることにしたようだ。 躾と言う名のストレス発散をするため、メドゥーサを探し始める。 神殿は今日もよく晴れ渡っていた。 《END》
by カリウス
それにしても、メドゥーサはステンノとエウリュアレの区別をどうやっているのでしょう?
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