そう、また増えていた。
「ただいまー」 「士郎士郎脂漏シロウ士郎ーーーーー!!!」 「ふ、藤ねぇ・・・何さ(汗」 何か変な呼び方が混じってたような。気のせいか? 「増えてる増えてる増えてる増えてる!!!」 「ああ、体じゅぐはぁっ!?」 「ち・が・う」 ・・・痛い。 「じゃあ・・・何さ」 「住民が!ここの!またどこで拾ってきたのよぅ!」 「だから人を猫みたいに扱うのやめろよな」 「スーツ」 あー、バゼットね。 「ちょっと見ただけなんだけど、あの人はちょーヤバイって」 まあ、ヤバイのは間違ってないが。 「どんなところがさ」 「あの人、少なくとも物事を平和に過ごすことなんて考えてないわ。絶対生死をさまよった経験ありね。口より先に手が出るとか。カウンターを狙っているようで、時間を捻じ曲げ\"先出しで\"相手を倒していそう。それにあまり大きな声じゃ言えないけど男運悪そうね。もうすんごく裏切られ続けた感じ。それでいてヒモとかいたタイプ。夜な夜なその男と暗躍してたの。それでも好きな人は別にいてさ、近くなのに遠くの存在とかそんなの!それでねそれでね、あの人士郎のごはん目当てでここ来たの!味覚センスが抜群で、『もうここではあなたの出す食事しか口に合いませんわ』とか言ってさ言ってさ言ってたでしょ言ったのねこのやろー!!!」 えーと、さっきの戯言を採点してみようか 「・・・正解率6/7。藤ねぇ、得意の『なんとなく』スキル落ちたんじゃねぇのか?」 「なによそれー」ぷー 「それはさておき、しょうがないんだよ。凛と桜の知り合いでさ、遠方からわざわざ来たのにパスポート無くすわ身分証明盗まれるわ大変だったんだから」 という事にした。今した。最近めっぽう嘘がうまくなった自称正義の味方志望。 ・・・だから俺はアイツじゃないんだって! 「だからダメだって!ダメダメだからね!ここに住まわすの禁止!」 「なんでさ」 「ライダーさんが来てからというものの、ただでさえ年上特権の配当が減ってきてるのに、これ以上減ったらお姉ちゃん死んじゃう!」 「年上特権?なんだそれ?バゼットと藤ねぇってそんなに年離れてないと思ってたけど」 「ちがうー」 「?」 「士郎から見て年上なの!士郎から見て年上なのが年上特権!適格者のみに平等分配される特権なの!藤村辞典より」 頭痛くなってきた。 「なんだよそれ」 「ここまで言ってわかんない?例えばぁ・・・ ケース1: 『おいおい、酒飲み過ぎだって』 『いいのー、今日は士郎ん家に泊まるからぁ』 『ったく、しょうがねぇなぁ』 ケース2: 『おーい藤ねぇ、そんなところに寝たら風邪ひくって』 『うふふぅー・・・ぐぅ』 『ったく、しょうがねぇなぁ』(毛布をかける士郎) ケース3: 『わーい、お姉ちゃんぎゅー』 『わ、いきなりしがみつくなよ。・・・う、動きづらいだろ?』 『えー、だめー?士郎もぎゅーってしてよぅ』 『ったく、しょうがねぇなぁ。はい、ぎゅー』 ってなもんでどうよ」 「どうよって言われても」 余計に訳わかんない。特にケース3。 「とにかく!そういう年上にだけ許される行為がライダーさんによって2分された今!お酒呑んでその場で寝ちゃって士郎に抱きつくのも半分しかできないのに!」 ライダー来てからもやってるじゃん。相変わらず。 「スーツの中の人まで住みはじめたら1/3よ!!頭痛薬の優しさ成分並の大暴落よ!!」 「優しさ成分というか、苦々しい成分だなぁ。」 「うるさぁい!何とかしなさい!」 「・・・はぁ、大丈夫だよ。今でも職探ししててさ、ちゃんとした収入ができたら違う所に済む約束してるんだから。ちゃんと考えている人だよ、あの人は」 ただし、今になっても就職先が見つかってないんだけどね。かれこれ何ヶ月だ? 「むー・・・」 「だからさ、藤ねぇも就職探し手伝ってよ。そうすればここから移住するんだから」 「わかったわよぅ・・・」 「できれば仲良くしてくれよ。今まであまりいい環境にいなかったらしくてさ、知り合い少ないらしいんだ。多分藤ねぇとなら友達になれるさ」 「それだけは約束できないわ」 「なんでさ」 「な・ん・と・な・く」 「・・・そですか」 なんか睨んでるし。これ以上詮索するのも止めよう。 「じゃあ、あっちのスーツの人はいい。問題は・・・シスターベレー!」 あー・・・そっちか・・・ できれば藤ねぇと結託して追い出したいところだが 多分無理なんだろうな・・・ ―――――――そして話は夜遅くまで 語り合える幸せが 幸せと思えなくなるまで それは次の幸せを呼ぶために―――――――
by NoteS
前回に引き続き凝りもせずまた投稿します。 藤村教諭によく分からない愛を捧げます。 あと希望というかなんというか、前回の支援投稿、再び見られるようになりませんか?(^^;
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