今宵の月も格別か
今宵は月が綺麗だ。 いつも見ている社もまた、かわって見える。 これを酒の肴にして一杯やりたいものだが…… 「客か……」 つぶやき、刀を握る。 瞬時に斬れる体制に入り身構える。 後ろから十歩、いや九歩あたりか。 「今夜もせいがでるな、アサシン」 よく聞く声で警戒を解き、顔だけを後ろに向ける。 「宗一郎こそいいのか。こんなところを見られたものならキャスターに何をされるか分かったものでもあるまい」 「それもそうだ」 宗一郎はそれだけ言うと私の側を通り過ぎ、石段に腰掛ける。 彼の手には酒瓶と小さなおちょこが二つ握られている。 「月見酒か、これまた風流だ」 今宵の月はまた格別か。
by 乙夜
今回出番が少なかったので少しでも 小次郎を応援してもらおうと思い書かせてもらいました。 でも、小次郎のセリフってかっこいいけどいざ書こうとすると難しいな〜w
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