しりとり
「すいか」 「冬木市を覆い尽くす『カラス』の死骸」 妙にイヤな形容詞のついた言葉に男装の麗人バゼットは眉をひそめる パズルの完成を目前にしてなんとなく完成させるのがもったいない、もとい完成させる場面ではないと感じて思いついたのがこれである。 しかしこの野郎いや女か、まったくもって容赦がねえ。毎回頭に来る五十音を同じにしやがる。おかげで始めてから三連敗。自分も同じ事をすればいいと言われるかもしれねえがはっきり言ってダメだ。語彙力に雲泥の差がある。それも自分の基盤である自称正義の味方せいだ。国語辞典でも読めコンチクショウ でもって結局連勝中のマスターに出来る復讐はいかにも精神衛生上良くない言葉を浴びせることぐらいなのだが 「鏡」 この女ちっとも堪えてねえ。しかし諦めねえ。なんといっても俺は『復讐』のサーヴァントだ。ここで諦めてなるものか。 思案の末 『○△×□』 十八禁のエロ言葉を混ぜてみた。 おーおーさすが処女つーか乙女。顔真っ赤 その後も立て続けに出る卑猥な言葉に湯気でも出るんじゃないかってくらいに顔が赤くなる しかし自称正義の味方は何故こんなにもエロに詳しいのだろう?これでは正義の味方ではなく性戯の味方じゃねえか、なんて笑いながら考えて、ふとしりとりが途切れているのに気づく 「おい、マスター?」 思えばここで逃げておくべきだった。そもそも彼女は主人なのだからいくらサーヴァントの特性とはいえ復讐は控えるべきだったのだろうか? ブォン 最早彼女は答えない。いや岩を破砕しそうな一撃の前にたしか 『逝きなさい。アンリ』 やばいやばいやばいやばいやばい夜の新都に拳音が響く響く響く響く罅く 「のォォォォォォォォォォォォォ!!!」 叫んで逃げて思う こんな感じで始まる四日間も悪くねえだろ
by みじン
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