"「３年C組タイガー先生！!」" by tako

「３年C組タイガー先生！!」

キーンコーンカンコーン
チャイムが鳴り響きそして―――

「ちこくちこくちこく～」
ドタドタドタドタドタドタドタドタドタ

ガラガラガラッ

ずざ―――――――っ

「みんなおはよー」

ものすごい勢いて滑り込んでくる藤ねぇ。
が……

どご――――――ん!!
勢いを殺しきれずに教卓に突っ込む。

……もはや見慣れた風景となっていたが、
さすがに今日はやばいんじゃなかろうか。

｢オイ、どうする。｣
｢やっぱやるのか。やるしかないのか。｣

がやがやと騒がしいが、どうやらみんな覚悟を決めたらしい。
みんなの心が一つになり、そして――――

｢せーの。おきろ、ﾀｲｶﾞｰ（ﾎﾞｿ）｣

ピク。

｢起きろ!!タイガー｣

ピクピク。

｢立て!!立つんだタイガー!!｣

｢だぁー――――――――。タイガーって言うな――――――――――――――!!!!!｣

どどどっど――――――ん!!!!!!

――――タイガー大地に立つ―――――

そして飛んでくる教卓。
ああ、前もこんなことあったよな――――――
って、のんびりしている場合じゃない！！

どうする？

→　よけない
　→よける

ってそんなことしてるうちにすぐそこまで―――
だが俺だって経験を積んでいる。
聖杯戦争に比べれば、この程度の危機など衛宮士郎にはかわせる能力がなくてはならない！！

よし、かわせ―――

「きゃっ！」

え？

ドコーーーン

どんがらがっしゃん！

「いててて…」

どうやら避けたのはいいけど、隣の席の女子にぶつかったようだ。

「う…うぅん」

あれ？なんか下から声がするぞ？
ふと下を見てみると…
女の子の顔が…どうやら俺が女子の上に乗った形になっているようだ。
ふに。
「「あ…」」
同時に声をあげる。
なんというか考えたくは無いけど、お約束と言うかそんな所を触っているみたいだが
やわらかいんだなと言うか結構胸あるなと言うかセイバーや遠坂よりも…って、
そんなこと考えている場合じゃないって―――――

「ご…ごめん！！！」

慌てて飛びのく。
女子は立ち上がると、何も言わずじっとこっちを見ている。
心なしか顔が赤いような…

「えっと。とにかくごめん」

「いいよ。別に…」

そして訪れる沈黙。参ったな…いっそせめてくれたら気が楽なんだが…
……気まずい。まるでお見合いでもしているかのような気恥ずかしさが漂う。
だが―――

「し～ろうぉぉぉぉ～っ！！」
			 とらのうめきごえ　　　　じごく　おとされ
そんな場の雰囲気を吹き飛ばす、 地 獄 の 怨 嗟 によって現  実に帰ってくる。

問答無用で襟首をつかまれ、
「隣の女子とぶつかって上に乗った挙句胸を触るなんてお約束をかまして
更に甘い空気漂わせるなんてどんなギャルゲーよ！！
ただでさえ衛宮家には桜ちゃんにセイバーちゃんに遠坂さんにライダーさんがいて
さらにバゼットさんっていう秘書っぽい美人さんや色白陰険シスターのカレンちゃんまで
加わってフラグ立ちまくりの恋愛下宿ハーレムＤＸ改みたいなパワーアップしているのか
いないのかよくわかんないすごい状態になっているって言うのに！！
お姉ちゃんはそんなえろえろな子に育てた覚えはありません！！！！！」
なんてまくしたてながら、がくんがくん首を揺すられたら非常に拙い！

「ふ、藤村先生！そんなに揺すったら衛宮が…！！」

あぁ、一成…もう遅い。何せもう頚動脈をギリギリと締め上げられ、落ちるまであと６秒。
命危うし俺ただ今ライブで大ピンチ！！
あ…目の前が暗く…ガク。

チーン。

ドン。シャーーーー。

｢はー――い。迷える子羊はとって食え！タイガー道場の始まりよー！｣

｢オス。ししょー！｣

｢今回の原因は……だめよー。
いくら非常時でも人が嫌がっていることは言っちゃいけません。
それからセクハラまがいのフラグ立てお約束イベントなんて許しません！！
一体何人増やす気なの！！温泉下宿なの東大を目指すのチクショー！！！｣

｢ししょー…。今回新キャラも増えてただでさえキツいってのに、
オフィシャルに\"間違った方向に進化したキャラ\"呼ばわりされて必死っすね。｣

｢てい。｣

ばちこーん。

｢だめよー。このコーナーは一方的に士郎をつるし上げるコーナーなんだからね!!｣

｢オス。ししょー｣

｢とにかく人の嫌がることは絶対言ってはいけません!!あとセクハラもやめること！！ぐぎぎ！！
というわけで、直前に戻ってやり直すこと。｣

シャーー。バタン。

……なんでさ。

一方そのころ――――

｢なあ。アンタ何やってんだ？｣

｢あら、何かしら？駄犬｣

｢駄犬ゆーな。だから……何やってんだ?
ってバゼットもかよ…｣

カレンの隣で一心不乱にレンゲを動かしているバゼットの姿が…

｢見て分からないかしら。タイザンですか？そこのマーボーとか言う料理を食しているのですが……
ふむ、それではあなたも食べて｢食うか!!｣｣

今日も冬木の町は平和だった………