「あれ、バゼット？」 商店街。夕飯の買い物も終わりさて返ろうかと言うところでバゼットを見つける。 「・・・・、士郎君、ですか」 ・・・・あれ？ どことなく様子がおかしい。 バゼットは気落ちした顔で少し上を見上げている。 ・・・・ああ、そういえば。バゼットは未だに就職口が見つからずにいる。 ７度目の面接失敗で気落ちしていたと、聞いてもいないのに親切にもカレンが教えてくれたのだ。嬉々として。 その様子を語るカレンの姿は普段とはうってかわって生き生きしており、正直に告白するなら最近の聖職者って人格破綻者しかいないのか、と疑いを抱いてしまうほどだった。 もっとも既に聖職者に良いイメージなんて無かったのだが。憐れバゼット。 さておき、 そんなバゼットの様子よりもっと懸念すべきモノが目に入る。 バゼットの視線の先。 バゼットの前に建っている建物。赤々としたチャイニーズテイストの放つ異常な雰囲気。 いや目に入れてはいけない。だって見ただけで溶けるから、いやむしろ熔けるから眼球。そう、そこはその存在さえ忘れるべき商店街の魔窟。 そうその場所とは・・・、 『紅州宴歳館、泰山』 ドック、ドック・・・・！！ いかん。いやマジでやばいって、ここだけはまずいって、ホント勘弁して下さい、ほらだってエフェクトで時間が止まってるもん。ああさっきまで幸せな日常風景だったのに何でこんな異空間に投げ出されてしまったんだろう俺は！ だが間に合う、否、間に合わせる。今からうまく切り返せばこのイベントだって強制解除可能なハズ・・・・・！！！ 「じゃ、おれもう用件終わったから帰るよ」 「そうですか、でしたら少し付き合って下さい士郎君。」 がし。 ずるずるずるずる・・・・・。 「ちょ、バゼット、って、やめ、引っ張るなぁぁぁー」 って聞いちゃいねー。 分かってたけどね、こうなることぐらいね、ああ悲しき哉主人公、デッドエンドを見るためだけに殺される身にもなれってんだ。 かくして再び、様子のおかしいバゼットと共に地獄に挑むことになった。 あと、どうでもいいんだが、今後バゼットにはアイアンクローで人を引きずるのは止めて欲しい。下手すると死ぬから。 でだ。 予想通りと言うべきか、いや実際予想以上の光景が店内に展開していた。 「あら、あなたも一緒なのね。それとバゼット、遅刻よ。あんまり遅いから先にいただいていたのだけど」 何をいただいていたのかは言うまでもない。 「・・・・・・・・」 嗚呼、予測してても言葉って出なくなるんだ。そりゃそうだよね、予想以上だから。 食べているのは言うまでもなく例のマーボー。 しかも何より予想以上、というか異常なのがその食事のスピードだ。 「・・・・・・・・」 遅い。いや食事の速度は普通なのだが生前のどっかの神父でさえ修羅のごとき気迫でなければ食せなかった地獄系マーボーを『味わっている』。 いや・・・。だから美味いの、それ？ 「・・・・いつまで立ってるの？」 気付けば既にバゼットは座っている。 いかん気をしっかり持て。ここで気を抜いたら殺られるからホント。 用心しながらカレンの対面、バゼットの横に座る。 そっとカレンを観察する。 ああマジで味わってる、いかなる技かマーボーダレは純白であるはずの豆腐を赤く染めてぱっと見では何の料理家さえ分からぬマーボー、あれ？前よりやばくないか？、で味わってる、普通ならまず舌が熔けるきっと歯も溶ける、でも味わってる、匂いだけでも強烈で正直目が痛くなってきた、なのにそれを口に入れて、しかも租借している規則正しく、そうだから詰まるところ、味わって、それを、完食、した。 「ふぅ、ごちそうさまでした」 よかった。正直あんなものを目の前で普通においしそうに食べられて精神の方が参っていた。だから『喰うか？』なんて聞かれたらうっかり頷いていた可能性は捨てきれない。 本当によかった。 「さて、本題に入りましょうバゼット＝フラガ＝マクレミッツ」 「ええ、・・・・そうですね」 話というのはランサーとバゼットの義手のことらしい。 なんでも偶に時間を見つけてはここでこうして互いの所有権を主張しあってるんだとか。 都合２時間の論戦の末、結局話はまとまらなかった。 が、 『少しバゼット押されてたな・・・』 やはり就職問題を突かれると弱いのか。 ああこのままだと正月まで仕事探してそうだなー、仕事納めに気付かずに。 それと、どうでもいいけど俺何でここにいるんだろ？ そんなことを考えていたとき、不意にその物体はテーブルに鎮座した。 「アイー、マーボー大盛り３人前お待たせアルー！」 「ふう、ではいただきましょう士郎君。あ、心配しなくても奢りですから代金は気にしないように」 「そうね、もっとも代金なんか気にすることなんて出来る状況ではないのでしょうけど」 『そうでしょう衛宮士郎？』などと人の不幸を嘲笑うスカート無し。 『？？？』と状況が分かってない、たった今俺のデッドエンドフラグ立てた暴力女。 そう、既に考えるまでもないことだが、『この二人』、間違いなく常連だ。 「言ってませんでしたがここでの話し合いの後は毎回大盛りです。親切にも店長さんがあなたの分も作ってくれたんですから当然食べるんでしょう衛宮士郎？」 「・・・・・・っ！」 出された料理は食べなければ嘘、だ、が、・・・きっとこれは例外だ。しかしこちらも厨房を預かる身。手つかずで捨てられる料理なんてもったいないし、それ以上に残したりしたらきっと俺もあのちびっ子店長の十字鍋で唐辛子まみれにされるに決まっている（意味不明）！！！！ 数分後。 ブラックアウトしていく世界でほらやっぱり地獄行きだったじゃないかと納得してから気絶した。 ＤＥＡＤ ＥＮＤ？

by ひとふたみつよ

構成とか無視してテキトーに書いた駄文です。
まあドンマイって感じで。ネタもありがちだしねー。
自分士郎スキーなだけにホロウはがーんって感じでした。
ぶっちゃけ士郎だけ蚊帳の外っぽくねえですか？
というわけでカレンさんに。
なんでさ？
自分、Ｍッスから。
ああサドマゾ最高です。
そこきもいとかいうな
以上、解散。

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