「私はサクラを応援します」 居間で突然、一人の女性が突然声を上げた。 長い髪を腰元までたらして、メガネをかけた落ち着きのありそうな女性。 雅やかな雰囲気で、表情を変えずに居間の反対側に座ってお茶を飲んでいる女性に言う。 「えっと………いきなりどうしたの？ライダー」 桜色の髪が――――おそらく説明が不要なので省くが、桜が頭に疑問符を浮かべながら言う。お茶を両手で持って、とても落ち着きながら尋ねた。 ライダーは以前表情を変えず、当然のように言葉を返す。 「私はサクラを応援すると言ったのです」 「うん。それは分かる。………なんのこと？」 「………ああ」 ライダーは少し沈黙すると、思い出したように声を上げた。 ほんの少し、罰が悪そうに表情を変えると、すぐに表所を戻す。 「………とにかく私はサクラを応援します」 「応援って……私はライダーを応援すれば良いの？」 「いえ、サクラは自分を――――よりも、士郎を応援してください」 「ますます意味が分からないんだけど………」 「サクラも士郎の隣にいたいでしょう？」 「っ………それは…そうだけど。そのために先輩を応援するの？」 「いえ、それは士郎への――――」 とライダーは言葉を止める。 少し思案したのち、言葉を続けた。 「失言でした。サクラが士郎を応援しないはずがありません。いらないお世話のようですね」 「………？」 「――――つまるところ、愛する人を愛せばいい。そんな単純なコトです」 ずず、とライダーはお茶をすする、そして明後日のほうを見つめた。 桜はつられて同じ方向を見る。特に意味は内容で、窓の外からは青い空が見えた。 「願わくば――――サクラが士郎の隣でありますように」 「………よく分からないけど………ありがとう、ライダー」 ふふ、と小さく二人は微笑み、お茶をすすった。

by 皐

かなり遅い桜応援小説です。
上手く二人の性格が出たか幾分不安ですが後悔はありません。
一応ライダーは人気投票を知っているけど桜は知らないっていう設定で。

愛する人を愛す。桜はそれだけでいいんです。
願わくば、士郎も愛してくれれば――――

桜は上位を狙いません。士郎の横に入れればいんです。

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