その後の後日談
真昼の月に向かい、空に手を伸ばしてみた 「何を、してるのです?衛宮士郎」 「…別に、ただ何となく」 衛宮家、縁側でぼんやりと過ごしていると一人の女性が声をかけてくる 声の主はカレン・オルテシア 言峰の後釜として赴任してきたシスター 教会の改装に伴い家に居候として居座っている。 「…で、何か用?」 「良い天気ですね。」 質問に応える事無く隣に座るカレン 相変わらず何を考えてるのかが掴めない、が 現在、この場に居るのはカレンと俺の二人 「そういやカレンは何で。」 「新都に行かずここに居るか?ですか」 「…」 「セイバーさんに関しては先輩方にお任せしておりますので」 ----------------------------------------------------------------------------- セイバーに何があったのかというと ライダー・キャスターに続き 遠坂・桜・バゼット・カレン更にはイリヤ・セラ・リズ・そして藤ねえに包囲され 新都でウェイトレスのアルバイトをする事になり本日初出勤。 女性陣は皆でからかいに新都に ----------------------------------------------------------------------------- 当初は俺の護衛がと駄々をこねていたが その点においてはバゼットが俺の護衛につくことで…? 「…あれ?そういやバゼットは」 「大方ランサーと逢引でもしてるんでしょうあの『ピー』(放送禁止用語)は…」 それは無いという事を何となく確信する。 セイバーの性格上いや性質上とでも言えば良いのか ウェイトレスの仕事は勤まらない。皆承知の上でそれを勧め、からかいに向かった 要するにバゼットの俺の護衛は今日一日限りの仕事なのだ。 それを… 思わず立ち上がり逃げようとするが腕をつかまれる そうして思わず体が固まる。それは恐怖から来るものでなく 何とも言えない懐かしい感覚から 「約束…?」 残像と言えば良いのか一瞬イメージが頭を過り 不意にそんな言葉が口に出る。何故か顔を紅くするカレン。 「駄犬の分際で…」 「いい加減そういう言い方…」 振りかえってカレンの両手を押さえて押し倒す。 「こんな開けた場所で…やはり貴方は駄犬、です......」 言葉を遮るように唇を奪いそのまま首筋に移る カレンの甘い声が漏れる、そうして法衣に手を伸ばした瞬間 見知った殺意がこちらを伺っている事に気付く。 振りかえるとウェイトレス姿のセイバー 「士郎、貴方という人は、私が一生懸命…」 「何をしてたというんですか?」 衣服の乱れを直しながらさらりと言ってのけるカレン 確かに早過ぎる帰還。朝出かけてから数時間も経っていない。 行って帰ってきたという時間だ。 「御飯が食べられないというなら用はありません。まったく皆して人を騙すとは…」 遠坂達がどういうふうに キングダムニ−ト・セイバーを説得したのか窺い知れた瞬間だった。 ぶつぶつとセイバーらしい愚痴をこぼしている。 何とか矛先を逸らそうとしていると突然カレンが抱き着いてきて、キス。 図ったかのタイミングで帰ってくる女性陣。 「それではそろそろ教会の修復も終わった頃でしょうし私はお暇します。 今日の続きはまた後日、また教会にて。それでは先輩方ごきげんよう♪」 呆然とする一同を尻目に そんな事をいいながらその場を後にするカレン。 一瞬見せた笑みがまさに悪魔のそれだったことは言うまでも無い。 背後ではセイバーが剣を構え 眼前に居る遠坂は満面の笑みでガントの構えで狙いをつけ 桜は周囲の女性陣を黒化して… その直後、冬木市に新たなる怪談話が発生したのも言うまでも無い話。 ちなみにバゼットは一服盛られて奥の部屋で眠ってただけだったそうな。 END
by 月神える
士朗×カレンも悪くない?といった感じで。
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